エンロン・スキャンダルとは?

投稿者: | 2021年11月2日

 

エンロン社とは、1985年、ヒューストン・ナチュラル・ガス社とオマハを拠点としていたインターノース社の合併により誕生し、総合エネルギー取引とITビジネスを行っていた企業です。

1980年代の終わりには、ガス取引に積極的にデリバティブを取り入れ、企業規模を拡大していました。

経済学に強い者を多く抱えていたこともあり、キャッシュ・フロー経営の最先端企業ともなり、

アメリカの投資バブルにも支えられ、安定した経営を行っていました。

 

一方で、同じ頃に、粉飾会計という違法行為に手を出していました。

1990年代にデリバティブを規制するために普及した時価主義会計を逆手にとり、

見かけ上の利益を増大させていました。

また他にも、1980年代からインサイダー取引も行われていたことが明らかになっている。取引損失を連結決算対象外の子会社(特別目的事業体)に付け替えて簿外債務とすることも行われていた。

会計を全米大手の会計事務所であったアーサー・アンダーセンが担当していたために、決算における市場の信頼はもちろん厚かったが、実際にはアーサー・アンダーセン及び顧問法律事務所も、彼らの違法行為に加担していた。

 

2001年10月17日が、ウォール・ストリートジャーナルがエンロンの不正会計疑惑を報じた。株価はこの日から急落した。それから証券取引委員会(SEC)の調査も始まった。

2001年10月に長年の不正会計が発覚し、2001年12月に経営破綻しました。

ワールドコム、リーマン・ブラザーズ、ワシントン・ミューチュアルの破綻がエンロンを上回るまで、

 

当時、エンロンの破綻は、金融界を襲った最大の企業倒産でした。

 

もちろん、彼らの粉飾会計という違法行為に手を貸していた会計事務所アーサー・アンダーセンは信用を失い、当時世界5大会計事務所の1つと言われたアーサー・アンダーセンは、2002年に解散しました。

 

しかし、会計で不正をしていたのは、エンロンだけではなかったのです。

エンロン破綻以降、アメリカの大企業で次々と粉飾決算が発覚し会計不信が広がり、2002年7月にはワールドコムの不正経理が明らかになり余儀なく倒産された。

 

エンロンのスキャンダルは、倒産までの4年間で株主が740億ドルの損失を出し、

従業員が数十億円の年金を失ったことから、会計や企業の不正に注目が集まった。

 

エンロンのような大規模な企業スキャンダルを防ぐために、上場企業の財務報告の正確性を高めるための新たな規制や法律が制定されました。

2002年7月、ジョージ・W・ブッシュ大統領は、サーベンス・オクスレー法(SOX法)に署名しました。この法律により、財務諸表の破壊、改ざん、捏造や、株主を欺こうとする行為に対する罰則が強化されました。

 
また、エンロン・スキャンダルをきっかけに、新たなコンプライアンス施策が導入されました。米国財務会計基準審議会(FASB)は、倫理的行動のレベルを大幅に引き上げました。

 

さらに、企業の取締役会は独立性を高め、監査法人を監視し、劣悪な経営者を迅速に交代させるようになった。これらの新しい施策は、企業が説明責任を回避するために利用してきた抜け道を見つけ出し、それを塞ぐための重要なメカニズムです。

 

しかし、いまだにエンロンの被害を引きずっている企業もあります。

最近では、2017年3月、トロントに拠点を置く投資会社が、エンロンの株を購入したことで生じた損失について、クレディ・スイス・グループAG、ドイツ銀行AG、バンク・オブ・アメリカのメリルリンチ部門を提訴する権利を裁判官が認めました。